三人の女優の演技にも注目だよ
皆さんこんにちは。ナマケネコ(@neko_namake)です。
今回は映画『ゼロの焦点』(2009年)をご紹介します。
失踪した夫を探しに金沢まで来た妻が夫の過去を知るにつれ、
夫と関わりのある人物が何者かに殺されていくというミステリーです。
松本清張のベストセラー小説が原作で、
1961年に映画化されて以降何度もテレビドラマが製作されている作品です。
松本清張生誕100周年記念映画として作られた作品みたいですね。
この記事を読んで興味が湧いたら是非見てみて下さい。
ネタバレはしていませんから安心して最後まで読んで下さいね。
ゼロの焦点
あらすじ
結婚式後すぐに行方が分からなくなった夫・鵜原憲一。お見合い結婚のため夫のことをほとんど知らない妻の禎子は途方に暮れてしまう。夫は生きているのか死んでいるのか。真実を知るために夫が最後に向かった金沢へと禎子は旅立った。しかし金沢で夫を知る人を辿っていくうちに、関わりのあった人間が次々と死んでいく。連続殺人事件の犯人は一体誰なのか。全ての謎が明かされる時、隠されていた夫の真実が禎子を待ち受ける。
原作は松本清張の小説
原作は『砂の器』や『黒革の手帖』などで有名な日本を代表する作家である松本清張の小説です。
最初に連載していた時は「虚線」というタイトルだったみたいです。
気になる方は原作も読んでみて下さいね。
タイトルの意味とは?
焦点というのはつまりモノの輪郭がはっきりと分かるという事ですから、
「ゼロの焦点」とはモノがはっきり見えない、
もしくはモノがないという意味なのではないでしょうか。
最初に連載していた時は「虚線」というタイトルだったのも考えると、
夫とのつながり(=線)が実は一本線ではなく、
複雑に絡み合った状態、または繋がっていると思っていたのに繋がっていなかった、
という意味ではないかと思います。
自分が信じていたものが実像を結んではいなかったということではないでしょうか。
3人の女性の物語
中々面白かったです。
夫の失踪をきっかけに、
戦争を生き抜いた人間たちのミッシングリンクが明らかになっていく社会派ミステリーでした。
ミステリーなんですが推理していくような作品ではなく、
どちらかというと3人の女性たちのドラマが中心となっている作品ですね。
広末涼子が演じる主人公の鵜原禎子は取り立てて特徴もないような、
いい意味でこの時代の女性という雰囲気が出ていました。
この禎子のモノローグで謎解きが展開されていきます。
中谷美紀が演じる室田佐知子は、
社長夫人でもあり女性の地位向上のために政治的な運動までしている活力に満ちた女性です。
ちょっと派手にしすぎたかなとは思いますが、
結構はまり役だったような気がしないでもありません。
木村多江が演じる田沼久子は、
まさに薄幸の美人感が良く出ていました。
木村多江は本当に似合いますよねこういう役が。
この映画はこの3人が軸となって展開していきます。
戦後の混乱期を利用した傑作
戦後の混乱に乗じた小さな抜け穴が段々広がって、
何人もの人間を巻き込むミステリーにまで発展していきます。
戦後のこの時期はこういうことが他にもきっとあったのだろうな、
と思ってしまうほどありえそうなストーリーでした。
少し気になったところを挙げるなら、
最終的な謎解きが禎子の想像によっているところです。
そんなに詳しく情報得る機会あったっけ? と思うほど詳細に語り始めるので、
物語的にはその推理が当たっているのでしょうけど、
いまいち納得できなかったというのが本音です。
ですがそういった部分がありつつも十分面白い作品でした。
戦後日本が置かれていた状況などを考えると、
この作品はただの娯楽作品ではないような気がします。
社会派のミステリーとして忘れてはならない作品ですね。
まとめ
途中までは特に引っかかるところもなく良かったのですが、
終盤に収束しないで散らかっていった印象です。
といっても投げっぱなしとかさらなる謎を残したとかではなく、
終盤の怒涛の展開でそう見えるように思います。
単純にラストが唐突すぎるような感じがしました。
それでも全体的に見ると、小さな謎から大きな謎に変容していく過程や、
戦後の闇をミステリーに昇華しているところなどは流石だなと思います。
興味がある方は是非ご覧になって下さい。
まさに邦画って感じの映画ヨ
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本作品の配信情報は2021年5月6日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各動画配信サービス(VOD)のホームページもしくはアプリをご確認ください。
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