皆さんこんにちは。ナマケネコ(@neko_namake)です。
今回は映画『空飛ぶ生首』(1960年)をご紹介します。
若干タイトルに誇張ありのホラー映画です。
罪の意識に追い詰められていく男を描いた作品です。
この記事を読んで興味が湧いたら是非ご覧になって下さい。
ネタバレはしていませんから安心して最後まで読んで下さいね。
空飛ぶ生首
あらすじ
ジャズピアニストのトムはメグとの婚約を機に愛人のヴァイに別れ話を切り出す。しかしヴァイはそれを許さず、あげくの果てに婚約者に自分たちの関係をばらすと脅してきた。堪りかねたトムは偶然の事故で灯台から落ちかけているヴァイを見殺しにする。ヴァイの死後トムの周りで次々と怪奇現象が起こり始め、罪の意識からトムの精神は次第に追い詰められていく。
想像と違う
タイトルで損している気がする
『空飛ぶ生首』、このタイトルから想像するに空中を飛び回る生首が頻繁に現れてそこにフォーカスしていくホラー映画なんだろうなと思ってたんですけど全然違いました。
実際には生首が空を飛ぶシーンはほんの一部ですし、このタイトルにしてやられたなという感じです。
しかも飛ぶというよりは亡霊がトムの周りに彷徨い出てくる時に頭だけ見えるというだけで、想像していたものとは全くと言っていいほど違いました。
そもそも原題は「Tormented」(苦しめられる、悩まされる)なので、よくある邦題にした時に意味が違ってくるやつでしたね。
タイトルは大事
この原題「Tormented」(苦しめられる、悩まされる)だとちゃんと作品のテーマを表していると思います。
映画の内容的に幽霊を出して怖がらせようという作品ではなく、「未必の故意」あるいは「不作為による殺人」によって被害者を死に至らしめた主人公の葛藤を描いている作品だと思うからです。
このタイトルにより、この映画がただの心霊現象を扱ったホラー映画ではなく、罪に苛まれる人間の心理状態や罪悪感から段々と人の心を失っていく様を描いた物語であることが明示されています。
それを考えるとタイトルって大事だなと思いました。
この映画の邦題も嘘は言っていないんですけど、一場面を切り取ってセンセーショナルなタイトルに安易にいっちゃったかなと。
でも『空飛ぶ生首』だったらホラーが苦手な人は絶対手に取らないタイトルですけど、かと言って全く別のホラー感がないタイトルにしたとしても実際にホラーシーンはあるわけで、そのタイトルでホラーが苦手な人が手に取っちゃって騙されたーってなることもあるでしょうし難しいですね。
特撮でテーマを補完
特撮も意外にしっかりしていたと思います。
灯台から落ちかけているヴァイが掴まっている手すりと、実際にヴァイが握っている手すりがずれていたりと細かい部分では粗もありますが、全体的にこの時代の作品にしては上手く出来ていたと思います。
幽霊として現れるヴァイの首が浮かぶシーンなどは効果的に演出されていて、テーマであるトムの苦悩を視覚的に伝えることに成功しているのではないでしょうか。
トムの苦悩や心理状態を表すのに生首という装置を使うことで、見る方に強いインパクトを残していると思います。
この映画は邦題から来る生首のインパクトに目が行きがちですが、単なるホラーというよりも、罪を犯した者の罪の意識や葛藤、そして逃げられない良心の呵責に追い詰められていく人間の心理を描いている作品だと思います。
まとめ
偶然から女性を死に至らしめてしまった男が、事あるごとに現れる亡くなった女性の霊に精神的に追い詰められていくホラー映画です。
タイトルにある生首のインパクトが強いですが、実際は罪を犯した者の内面が変化していく様子を描いたスリラー作品です。
そこまでホラー感はありませんから、タイトルで忌避している方も是非一度ご覧になって下さい。
特撮がいい雰囲気を出しているわヨ
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本作品の配信情報は2024年11月8日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各動画配信サービス(VOD)のホームページもしくはアプリをご確認ください。
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