『オブリビオン』
- 監督:ジョセフ・コシンスキー
- 出演:トム・クルーズ/オルガ・キュリレンコ/アンドレア・ライズボロー/モーガン・フリーマン
- 公開年:2013年
ラストは賛否両論!?
トム・クルーズ主演のSF映画です。ストーリーはどんでん返しありの王道といってもいいSFになっていますが、ラストは人間の愛の在り方といいますかアイデンティティに関しての問いかけになっているような終わり方になっています。
このラストの部分がだいぶ論争を引き起こしているみたいですね。
ネタバレになるので後述しますが、私自身も観終わった後はだいぶモヤモヤしましたねそれでいいのかなと。
ですが観終わった後に色々と考えられる内容だったから賛否両論出るのではないでしょうか。
面白くない映画ならそうはならない、とは言いませんが少なくとも面白い映画ではそれなりに論戦が繰り広げられている気がします。
そのせいもあってか評価は分かれているようです。
ストーリーも少々わかりにくいような。
あらすじだけでも見ておくと理解の助けになると思いますので観る前にせめてあらすじだけは見ておくといいですよ。
それではそのあらすじから見ていきましょう。
あらすじ
60年前に地球はスカヴと呼ばれるエイリアンの襲撃を受け壊滅的な被害を受けた。
生き残った人類は土星の衛星タイタンへの移住を余儀なくされ、人類のいなくなった地球では無人偵察機による偵察が続けられていた。
無人偵察機のメンテナンスやパトロールを任務とするジャック・ハーパー(トム・クルーズ)は、未確認の宇宙船の墜落現場でカプセルの中で眠る美女を発見する。
ジュリア・ルサコーヴァ(オルガ・キュリレンコ)と名乗る女性は、なぜか会ったことのないはずのジャックの事を知っていた。
一方でジャックも今まで夢に出てきていた女性とジュリアが似ている事に気づく。
謎の男マルコム・ビーチ(モーガン・フリーマン)によって二人に隠されていた真実が明らかになった時、ジャックは地球と人類を救うために最後の冒険に出る。
舞台設定の紹介
※ここからはネタバレになるので未視聴の方はご注意ください。
観ようか迷っている方は是非先に『オブリビオン』をご覧になって、それからまたここから続きをお読みください。
まず大まかな舞台設定としては「スカヴと呼ばれるエイリアンの襲撃を受け勝利したがその影響で荒廃した世界」という風になっています。
スカヴにより月が破壊されたので津波や地震が起こり、さらにスカヴを撃退するために核兵器を用いたので、侵略は食い止めたが地球は壊滅的なダメージを負ったという設定です。
そして海水を核エネルギー化する採水プラントをスカヴの残党から護衛する任務を負っているのが、主人公のジャックとそのパートナーのヴィクトリアの二人というわけです。
ストーリーの展開はお見事
これだけでも一本作れそうな設定ですが、『オブリビオン』はここからさらに二転三転させてきます。
実はスカヴが人類だったりジャックとヴィクトリアがクローンだったり地球を攻撃したのが何千人ものジャックのクローンだったり60年前にジャックとジュリアが夫婦だったりと怒涛の展開です。
負けじと怒涛のネタバレです。
SF要素だけでなくアイデンティティやクローンといった要素を絡めてラブストーリーにも展開してくるんですが、そのラブストーリーがしっかり映画の根幹を貫いているんですね。
60年前は夫婦だったジャックとジュリア。しかし今は夫はクローン。
愛する人がクローンだったら、愛されていたのが自分ではなくクローンだったら。
物語はこの問いかけでラストを迎えます。
主人公のジャックは最後死んでしまいますが、その三年後ジャックのクローン――物語の主人公のジャックもクローンだったわけですが――がジュリアを訪れます。
そして二人は微笑みあってそこで物語は終わります。
やはりここですよね物議を醸すのは。
私もエンドロールが流れた時思いましたもん、え?終わり?って。
そのジャックは違うジャックだよなぜジュリアは受け入れているのかと。
でもきっと二人はいい関係を築いていくんだと思います。
ジュリアはジャックの事をクローンだとは見ていませんでしたからね。
一人の人間として付き合っていくのだと思います。
色々な意見はあると思いますけどラストのシーンだけで映画の評価は下げないでほしいですね。
ストーリーがしっかりあって感情移入できているからこそ最後に二人の未来まで案じられるわけですから。
しっかりと作りこまれていていい映画だと思います。
ネタバレはしましたけど出来れば一度は見てほしい作品です。
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